コラム
2025/09/17
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不動産売却時のローン残債!6つの実践的対処法
住宅ローン返済中の不動産を売却したい。そんな状況に直面したとき、多くの方が「ローン残債があるけど売れるのだろうか?」と不安を感じます。
結論からお伝えすると、住宅ローンの残債があっても不動産は売却できます。しかし、売却方法や手続きは残債の状況によって大きく変わってきます。
この記事では、不動産売却時のローン残債に関する6つの実践的な対処法と、それぞれのメリット・デメリットを徹底解説します。あなたの状況に最適な選択肢が見つかるはずです。
不動産売却時のローン残債の基本知識
まずは、不動産売却とローン残債の関係について基本的な知識を押さえておきましょう。
住宅ローンを組んで不動産を購入すると、その不動産には「抵当権」が設定されます。抵当権とは、ローンが返済できなくなった場合に、金融機関がその不動産を競売にかけて債権を回収できる権利のことです。
この抵当権が設定されている不動産は、そのままでは売却することができません。売却するためには、必ず抵当権を抹消する必要があります。
では、ローン残債がある状態で不動産を売却するには、どうすればよいのでしょうか?
ポイントは「売却価格とローン残債の関係」です。この関係によって、アンダーローンとオーバーローンの2つのケースに分かれます。
アンダーローンとオーバーローンの違い
アンダーローンとは、不動産の売却価格がローン残債よりも高い状態です。例えば、ローン残債が2,000万円で、不動産が2,500万円で売却できる場合が該当します。
一方、オーバーローンとは、ローン残債が売却価格を上回る状態です。例えば、ローン残債が3,000万円あるのに、不動産の売却価格が2,500万円しかない場合です。
この違いは非常に重要です。なぜなら、アンダーローンであれば比較的スムーズに売却できますが、オーバーローンの場合は追加の対策が必要になるからです。
アンダーローン時の不動産売却方法
アンダーローンの場合、売却代金でローン残債を完済できるため、比較的シンプルに進められます。具体的な流れを見ていきましょう。
まず、不動産会社に査定を依頼し、売却活動を開始します。買主が見つかり、売買契約が成立したら、金融機関に一括返済の申し入れを行います。
売買契約の決済日には、買主・売主・金融機関・司法書士が同席し、以下の手続きを行います。
- 買主が売主に売買代金を支払う
- 売主が金融機関にローンを完済する
- 金融機関が抵当権抹消の書類を司法書士に渡す
- 司法書士が抵当権抹消登記と所有権移転登記を行う
この流れで、ローン残債の完済と抵当権の抹消、所有権の移転がすべて同日に完了します。
アンダーローンの場合、売却代金からローン残債を差し引いた金額が、あなたの手元に残る利益となります。
どう思いますか?アンダーローンなら、比較的スムーズに売却できることがわかりましたね。
オーバーローン時の6つの実践的対処法
次に、より難しいケースであるオーバーローン時の対処法を見ていきましょう。ローン残債が売却価格を上回る場合でも、以下の6つの方法で解決できる可能性があります。
対処法1:自己資金で不足分を補填する
最もシンプルな方法は、売却価格とローン残債の差額を自己資金で補填することです。
例えば、ローン残債が3,000万円で、売却価格が2,500万円の場合、差額の500万円を自分で用意して完済します。
この方法のメリットは手続きがシンプルで、新たな借り入れが不要な点です。一方、まとまった資金が必要になるというデメリットがあります。
貯金を取り崩すことになるため、生活に支障が出ないよう慎重に判断する必要があります。
対処法2:親族からの援助を受ける
自己資金が足りない場合、親族からの援助を受けるという選択肢もあります。
ただし、親族から援助を受ける場合、贈与税に注意が必要です。年間110万円以下の贈与であれば贈与税はかかりませんが、それを超える場合は贈与税の対象となります。
親族間の金銭のやり取りは後々のトラブルにつながることもあるため、きちんと話し合いの上で進めることが大切です。
対処法3:住み替えローン(買い替えローン)を利用する
住み替えや買い替えを目的とした売却の場合、「住み替えローン」を利用する方法があります。
住み替えローンとは、現在の住宅ローン残債と新しく購入する物件の購入資金をまとめて借り入れできる商品です。
例えば、現在の住宅ローン残債が3,000万円、売却価格が2,500万円、新居の購入価格が3,000万円の場合、住み替えローンでは(3,000万円-2,500万円)+3,000万円=3,500万円を借り入れることになります。
この方法のメリットは、残債を一括返済するための資金を用意する必要がない点です。一方、通常の住宅ローンよりも審査が厳しく、金利が高めに設定されていることが多いというデメリットがあります。
対処法4:任意売却を検討する
ローンの返済が困難になっている場合、「任意売却」という方法も選択肢の一つです。
任意売却とは、債権者(金融機関)の同意を得た上で、通常の不動産取引として物件を売却する方法です。競売とは異なり、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高くなります。
ただし、任意売却後も残債が残る場合が多く、その返済計画について金融機関と交渉する必要があります。債務整理の一環として行われることが多いため、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
対処法5:リースバックを活用する
近年注目されている方法として、「リースバック」があります。
リースバックとは、現在住んでいる住宅を不動産会社に売却し、そのまま賃貸として住み続ける方法です。売却代金でローンを返済し、以降は家賃を支払って住み続けることになります。
この方法のメリットは、住み慣れた家に住み続けられることと、まとまった資金を手に入れられる点です。デメリットとしては、家賃負担が新たに発生することや、将来的に家賃が上がる可能性があることが挙げられます。
対処法6:金融機関と返済計画を交渉する
最後の選択肢として、金融機関と直接交渉する方法があります。
例えば、一部繰り上げ返済をして残債を減らす、返済期間を延長して月々の返済額を減らすなど、返済計画の見直しを相談することができます。
ただし、金融機関側に交渉に応じる義務はなく、返済状況や信用状態によっては難しい場合もあります。早めに相談することで選択肢が広がる可能性があります。
住宅ローンの残債を確認する方法
不動産売却を検討する際、まず現在の住宅ローンの残債を正確に把握することが重要です。ローン残債の確認方法には、主に以下の3つがあります。
返済予定表で確認する
住宅ローンを借りると、金融機関から返済予定表が発行されます。これには、毎月の返済額と残高の推移が記載されています。
ただし、繰り上げ返済を行った場合などは、返済予定表の金額と実際の残高が異なる可能性があるため注意が必要です。
残高証明書を取り寄せる
より正確な残高を知りたい場合は、金融機関に「残高証明書」の発行を依頼するとよいでしょう。
残高証明書は、特定の時点でのローン残高を正確に証明する公的な書類です。発行には手数料がかかる場合が多いですが、売却を検討する際には必須の書類といえます。
ネットバンキングで確認する
多くの金融機関では、インターネットバンキングでローン残高を確認することができます。
24時間いつでも確認できる便利さがありますが、金融機関によってはこのサービスを提供していない場合もあります。
ローン残債を正確に把握することで、売却時の資金計画が立てやすくなります。不動産売却を検討し始めたら、まずは現在のローン残債を確認することから始めましょう。
不動産売却時のローン残債に関するよくある質問
不動産売却とローン残債に関して、多くの方が疑問に思うポイントをQ&A形式でご紹介します。
Q1:住宅ローン返済中でも不動産は売却できますか?
A:はい、住宅ローン返済中でも不動産は売却できます。ただし、売却時には抵当権を抹消する必要があり、そのためにはローンを完済する必要があります。売却代金でローンを完済できる場合は比較的スムーズに進みますが、完済できない場合は追加の対策が必要です。
Q2:オーバーローンでも売却は可能ですか?
A:可能です。ただし、売却代金だけではローンを完済できないため、不足分を自己資金で補填する、住み替えローンを利用する、任意売却を検討するなどの対策が必要になります。
Q3:住み替えローンの審査基準はどのようなものですか?
A:住み替えローンは通常の住宅ローンよりも審査が厳しい傾向にあります。年収や勤続年数、年齢、他の借入状況などが審査されます。特に、新しい住宅の購入価格に対してローン金額が大きくなるため、返済能力の審査が重視されます。
Q4:任意売却と競売の違いは何ですか?
A:任意売却は債権者の同意を得て行う通常の不動産取引であり、市場価格に近い金額で売却できる可能性が高いです。一方、競売は裁判所が主導して行う強制的な売却で、市場価格よりも低い金額になることが多く、住宅ローンの残債も多く残りやすいです。
Q5:住宅ローンの残債が多い場合、どの対処法が最適ですか?
A:最適な対処法は個々の状況によって異なります。自己資金に余裕がある場合は不足分を補填する方法、新居への住み替えを検討している場合は住み替えローン、返済が困難になっている場合は任意売却など、ご自身の状況に合わせて選択することが大切です。まず専門家に相談することをおすすめします。
まとめ:状況に合わせた最適な対処法を選ぼう
不動産売却時のローン残債への対処法について解説してきました。ポイントをまとめると以下のようになります。
- 住宅ローン返済中でも不動産は売却可能だが、抵当権の抹消が必要
- アンダーローン(売却価格 > ローン残債)なら比較的スムーズに売却できる
- オーバーローン(ローン残債 > 売却価格)の場合は6つの対処法がある
- 自己資金で不足分を補填する
- 親族からの援助を受ける
- 住み替えローンを利用する
- 任意売却を検討する
- リースバックを活用する
- 金融機関と返済計画を交渉する
- 売却前にローン残債を正確に把握することが重要
不動産売却は人生の中でも大きな決断の一つです。特にローン残債がある場合は、慎重に計画を立てることが大切です。
最適な対処法は、あなたの状況や目的によって異なります。専門家のアドバイスを受けながら、ご自身に合った方法を選択してください。
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