賃貸管理コラム
2025/07/15
相続 知識
家族信託を検討すべき理由とは?
賃貸オーナーが今、家族信託を検討すべき理由とは?
こんにちは。今回は、賃貸経営をされている皆さまにとって、これからの時代において非常に重要な「家族信託」についてお話しいたします。
「もし自分が将来、認知症になってしまったら……賃貸経営を続けられるのだろうか?」
そんな不安を感じたことはございませんか?
年齢を重ねるにつれて、ご自身の健康や将来に対する不安を抱く方が増えています。そして、それは決して他人事ではありません。特に不動産オーナーの方にとって、ご自身が判断能力を失った場合、賃貸経営や資産管理に大きな影響が及ぶ可能性があります。
今回は、そうした事態に備える「家族信託」の仕組みと、そのメリットについてわかりやすく解説いたします。
なぜ今、家族信託が注目されているのか?
従来、将来に備える方法としては「遺言」や「成年後見制度」が一般的でした。しかし、これらの制度にはいくつかの限界があります。
たとえば、「成年後見制度」では、いったん後見人がつくと、ご自身の財産について自由に意思決定ができなくなります。仮に賃貸物件の修繕や建て替えを考えても、家庭裁判所の許可が必要となるなど、機動的な判断が難しくなります。
一方で、「遺言」はあくまでご逝去後に効力を発揮するものであり、ご存命中の判断能力低下には対応できません。
その点、「家族信託」はこれらの制度ではカバーできなかった問題を補完する、新しい仕組みとして注目されています。
家族信託とは?
「家族信託」とは、ご自身の財産(不動産や預貯金など)を信頼できるご家族に託し、将来の管理・運用・処分などを任せる仕組みです。ここでのポイントは、「所有権は移しても利益は自分に残す」ことができるという点です。
具体的には、信託契約を結ぶことで、オーナー様が「委託者」、財産を預かるご家族が「受託者」となり、財産の管理を任せます。収益などの利益はこれまで通り、オーナー様が受け取ることができます。
これにより、ご自身が判断能力を失った場合でも、家族の手で賃貸経営を円滑に継続できるのです。
家族信託が賃貸オーナーにとって有効な理由
賃貸オーナーの皆さまにとって、家族信託が特に有効である理由は以下のとおりです。
1. 認知症による“資産凍結”を防げる
認知症などにより判断能力が低下すると、金融機関は口座を凍結し、不動産の売買・賃貸契約・リフォーム契約などもできなくなります。こうなると、賃貸経営はストップしてしまいます。
家族信託を活用していれば、信頼できるご家族があらかじめ委託された内容に基づいて判断・対応できるため、事業を止めずに運用することが可能です。
2. 柔軟な財産管理が可能に
成年後見制度と異なり、家庭裁判所の監督が不要であるため、柔軟かつスピーディーな意思決定ができます。リフォームや新規投資といった判断も、ご家族の判断で進められるため、機会損失を防げます。
3. 相続対策にも効果的
家族信託では「誰に、どのタイミングで、どんな形で財産を渡すか」を設計できるため、将来の相続トラブルの防止にもつながります。たとえば、「長男に管理を任せ、収益は配偶者と子どもで分配」といった細かな設計も可能です。
実際に家族信託を利用したオーナーの声
ある60代のオーナー様は、ご自身が軽度認知症と診断されたことをきっかけに家族信託を導入されました。信託契約後は、長男に物件管理を任せつつも、収益はご自身が受け取り続ける形を構築。
「安心して老後を過ごせるようになった」「経営の判断は息子に任せられるので、今は気楽に生活できる」と、非常に満足されていました。
まとめ:今こそ、家族信託を真剣に考えるタイミングです
ご自身が元気なうちにこそ、将来に備える仕組みを整えておくことが、賃貸経営の継続とご家族の安心につながります。
家族信託は、将来の不安を減らし、ご自身の意思を反映させた資産管理を可能にする非常に有効な手段です。
もし、少しでもご興味があれば、まずは専門家に相談してみてください。信託契約の設計は自由度が高く、それぞれのご家庭や資産状況に合わせて柔軟に対応できます。
ご相談受付中です
当社では、賃貸オーナー様向けに家族信託のご相談を無料で承っております。専門家による丁寧なヒアリングと最適なご提案をいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
老後と資産の安心を、「今」から一緒に考えてみませんか?