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賃貸管理コラム

2025/06/14

トラブル 知識 賃貸物件

収益力が低下する物件の出口戦略とは?

築古物件オーナー必見!収益力が低下する物件への3つの出口戦略とは?

賃貸経営において「築年数の古い物件をどう扱うか」は、すべてのオーナー様にとって避けては通れない課題です。特に築50年前後ともなると、設備の老朽化、入居者減少、修繕費増加といった問題が重なり、「もう貸せない」「埋まらない」と悩む方も少なくありません。

国土交通省のデータによると、1968~1977年の高度成長期に建てられた物件が今、築50年を超えています。こうした築古物件が市場にあふれる中、空室率の増加や家賃下落、修繕負担の重さによって収益力が低下しやすくなっています。

そのまま放置しておくと、資産価値の低下や選択肢の減少を招く恐れがあります。だからこそ今、「出口戦略」を検討し、最適な選択をすることが重要です。今回は代表的な3つの出口戦略をご紹介します。


1. 建て替え:長期的な資産価値の構築

築古物件を解体し、新たな賃貸物件として再スタートする方法です。新築により最新設備の導入や減価償却の再開が可能となり、税制面でもメリットがあります。

メリット

  • 家賃設定の見直しで収益の最大化が可能

  • 高性能設備、省エネ基準対応で入居者ニーズを取り込める

  • 耐用年数リセットで長期安定経営が期待

デメリット

  • 建築費の高騰で初期投資が膨らむ

  • 収益が止まる空白期間(4~5か月以上)が発生

  • 立退き交渉や補償が必要


2. 再生(リノベーション):低コストで付加価値を向上

建物の構造を活かしつつ、間取りや設備を刷新する方法です。短期間で施工でき、コストも抑えやすいのが特徴です。

メリット

  • 数百万円台からの工事も可能で投資回収が早い

  • 空室から順次施工でき、既存入居者への影響を最小限に

  • 流行のデザイン・機能で若年層やDINKs層の需要に対応

デメリット

  • 構造によって間取り・外観変更に制限

  • 耐震補強や断熱改修など追加コストの可能性


3. 売却:資産の現金化と柔軟な再投資

物件を売却し、現金化することで新たな投資機会や資産形成を図る戦略です。事業から撤退したい高齢オーナー様や、相続対策にも有効です。

【売却後の選択肢】

  • 新たな不動産に買い換え(築浅物件・好立地物件)

  • 金融資産への転換(株式・投資信託など)

メリット

  • 物件リスクから解放され、利回り向上も期待

  • 管理・固定資産税の負担軽減

デメリット

  • 売却価格と再投資資産価格の差に注意

  • 金融資産は価格変動リスクあり


売却時に活用できる税制特例

売却時には以下の税制優遇措置を活用可能です。

  • 長期譲渡所得の軽減税率(20%)
    所有5年超の物件売却時に適用。築50年以上の物件なら多くが該当。

  • 事業用資産の買換特例
    売却益の税負担70~80%を繰り延べ、新規物件購入に充当可能。
    ※適用には細かな要件あり。税理士へ確認をおすすめします。


築古物件は“放置”が最もリスクの高い選択肢です。今のうちに「建て替え」「再生」「売却」という3つの出口を比較検討し、物件の状況やご自身の将来設計に合った戦略を立てましょう。

当社では、個別相談を無料で承っております。お気軽にご相談ください。