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賃貸管理コラム

2024/12/14

トラブル 賃貸物件 防災

大地震によって受ける3つの損害とは?

大地震によって賃貸オーナーが受ける3つの損害とは?

日本は地震大国と言われています。近年も大きな地震が各地で発生し、賃貸物件を所有するオーナー様にとっては他人事ではありません。万が一大地震が発生した場合、賃貸オーナーにはどのような損害が発生する可能性があるのでしょうか?今回は、賃貸オーナーが被りうる主な3つの損害についてご紹介します。

1. 建物自体の損害

地震によって最も直接的な被害を受けるのが、所有する建物です。外壁や基礎の亀裂、屋根の崩落、設備の破損など、修繕には多額の費用が発生します。また、耐震基準を満たしていない古い物件では倒壊の危険性も高く、建て替えが必要になる場合もあります。

例えば、阪神淡路大震災や東日本大震災の際には、多くの賃貸物件が甚大な被害を受け、復旧・再建のために数千万~数億円単位の費用が必要となりました。火災保険ではカバーしきれないケースもあるため、地震保険への加入が非常に重要です。

2. 家賃収入の減少

建物が被害を受けると、入居者の退去や新規入居の停止が相次ぎ、家賃収入が途絶えるリスクがあります。場合によっては長期間の修繕が必要となり、その間の空室損失が発生します。さらに、被災地域全体の人口流出により、回復までに数年を要するケースも少なくありません。

そのため、万が一の際の収入減に備え、家賃補償特約や休業損害保険を検討することも賢明です。

3. 損害賠償責任の発生

最も深刻なのが、入居者や近隣住民への損害賠償責任です。例えば、阪神淡路大震災では賃貸マンションの倒壊による入居者の死亡事故に対し、オーナーに1億円以上の賠償命令が下された判例(神戸地裁 平8(ワ)1533号)があります。老朽化や管理不備が原因とされた場合、オーナー責任を問われる可能性があります。

こうしたリスクを軽減するためには、日頃から建物の点検・修繕を行い、損害賠償責任保険への加入を検討することが重要です。


まとめ

ご紹介した3つの損害は、築年数や規模に関係なく、すべての賃貸オーナーに起こりうるリスクです。地震はいつ起こるか予測できませんが、事前の備えによって被害を最小限に抑えることは可能です。特に古い物件を所有している場合は、耐震補強や保険加入など、具体的な対策を講じることをおすすめします。

賃貸経営を安定させるためには、リスク管理の視点を持つことが欠かせません。ぜひこの機会に自社物件の状況を再確認し、万全の備えを整えておきましょう。